2004年3月の事務局日誌
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2004/3/31(水) 積極的な平和を望む
先日の朝日新聞の鹿児島版に鹿児島大学法学部、木村朗教授の《聞く 語る 〜イラク開戦から1年〜》というコメントが掲載されていた。
『・・・平和には戦争のない状態という消極的平和と、みんなが幸せで安全に暮らせるという積極的な平和がある。力による解決では、最強の一国しか勝つことができない。みんなが積極的な平和を求めるには対話しかありません。・・・』
木村先生とは、ピースウォークなどで何度かご一緒したことがある。とても穏やかだが、強い平和への信念と行動力を持った尊敬できる先生だ。自ら街頭に立ってビラも配る大学教授も少ないと思う。
平和があってこそ、桜の花の美しさをゆっくり眺めることができるし、大リーグ戦で活躍する松井も応援できる・・・極々日常的なことも含めてすべてのことが、平和があってこそ築き、為し得ること。明日はエイプリルフールだが、”うそ”ではなく“真”に「平和の時が来た」と世界中に発信したいくらいだ。
今日のエコニュース:発電容量が大きい太陽光発電システムを住宅につけるほど、金利が優遇される住宅ローンを、住友信託銀行と積水化学工業が始めた。積水化学が販売する太陽光発電システムつき住宅向けに、住友信託が発電容量に応じて20、30年固定型の住宅ローン金利を最大1.85%幅優遇する。5KW超なら30年固定で通常4.80%の金利が2.95%となる。(朝日新聞)

2004/3/30(火) 時代も変わり、暮らしも変わり、私も変わる?
明日で3月も終わる。毎度毎度の感想だが「早いよねぇ〜(^^;」 4月は、1月とは違うが“新しく始まる”という感じがする。特に今年は制度でもいろいろ新しくなる。
<年金>年金支給額を物価スライドにより0.3%減額。厚生年金の定額部分の支給開始年齢を61歳から62歳へ引き上げ。働いている60〜69歳の年金を減らす在職老齢年金で計算基準にボーナスを含む総報酬を適応 <医療>診療報酬改定で外来初診料など医療費を一部値上げ <税制>消費税の表示方式を、本体価格と税額を合計した総額表示に変更 <介護・福祉>40〜64歳の介護保険料を値上げ。生活保護費を0.2%減額 <教育>89の国立大学を国の行政機関から切り離し法人化 <サービス>通信8社が固定電話から携帯への通話料金を最大55%引き下げ・・
「!」や「?」という気持ちもあるが、これも時代の流れに則した“変化”なのだろう。変化をプラスとするか、マイナスとするか・・・気持ちも春らしく明るく生まれ変わってみようかな♪
今日のエコニュース:環境省と経済産業省は29日、02年度に大気中や河川などに排出された354種類の有害化学物質の量を公表した。全国3万5千事業所が届け出た量は約29万トンで、前年度より約7%、約2万3千トン減った。届け出義務のない小規模事業所や車などからの推計排出量を合わせた総量も約2万トン減の約88万トンだった。(朝日新聞)

2004/3/29(月) 花鏡 人の心を投影し 
今日は鹿児島にも、桜の開花宣言が出た。そこで、ちょっと風流に“花”の句を・・・
 『花のいろは うつりにけりないたずらに 
               わがよ身にふる眺めせしまに   小野小町』
  『世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし   在原業平』
   『願わくば 花のもとにて春死なむ そのきさらぎの望月のころ   西行法師』
  『散るという飛翔のかたち花びらは ふと微笑んで枝を離れる   俵万智』
桜の花も千差万別。それぞれの美しさがある。人も同じ。それぞれの美しさを、おもいっきり咲かせたいものですね。           
今日のエコニュース:環境省は、全国の自然環境を継続的に監視する「重要生態系監視地域(モニタリングサイト)」を設置する事業を始めた。気温などの基礎条件や生物の生息状況の確認などの調査を専門家に依頼、より学術的にデータを収集する。今後5年間で、山間部から都心部まで様々な生態系を網羅した千ヶ所を決め、100年間、監視を続ける。(朝日新聞)

2004/3/28(日) 電力自由化に対して
電力自由化の範囲が今年の4月から拡大される。各方面の規制緩和の一環として、電力業界でも99年に電気事業法が大幅に改正され、00年3月から部分自由化が進められてきた。これまでは特別高圧受電(2000キロワット以上)の大工場、大型ビルなど一部の大口需要家に限られていたが、来月からは500キロワット以上の中規模工場や病院なども電力の購入先を選べるようになる。そしてこれにより、日本の全需要量の40%まで自由化が進むことになるという。
この4年間の実績からみても、思ったほど新規参入企業の伸びは小さく(自由化範囲の1.9%、全需要量の0.4%)、既存の電力会社の優位さは以前変わらないが、業界に大きな刺激を与えてきたのは確かだ。さらに来年からはもっと自由化対象範囲が広がるので、更なる動きがでてくるだろう。
自由化のメリット・デメリットも一般的には料金が安くなることが一番関心のいくところだが、注意すべきは電力の安定供給は大丈夫か、サービス・メンテナンスの質はどうか、環境に配慮した発電法を推進しているかなど、チェックすべき点も多い。
また九州電力は先日、設備投資抑制のため火力発電所4基の廃止を発表した。結果的には益々原子力発電所依存度を高める見通しだ。しかし一方では、使用済み核燃料の再処理(バックエンド)費用18兆8千億円の負担問題が噴出している。電力会社は料金の上乗せを検討し始めているし、消費者団体は今まで原発は安いと説明してきたのに・・・と難色を示している。
自由化は私たち消費者の賢い選択も要求される。
今日のエコニュース:昨年の光化学スモッグによる注意報発令や被害人数を環境省がまとめ、大気汚染調査結果を発表した。それによると、冷夏の影響により、一昨年に比べ、大幅に減少したとのこと。スモッグの原因となる光化学オキシダントは、大気中の窒素酸化物(NOX)と揮発性有機化合物(VOC)に紫外線が当たることで生成されるが、昨夏は日照時間が短く、この生成が抑制されたことが要因とみている。注意報発令は茨城、埼玉、大阪など19都府県で延べ108日と、一昨年の23都府県、184日に比べ約41%減少した。また、警報の発令はなかった。のどの痛みや息苦しさの被害を届けた人も埼玉、神奈川など5都府県の計254人と、一昨年の9都府県、1347人から大幅に減少した。(共同通信)

2004/3/27(土) かごしまの「地産地消」
かごしま市民環境会議が主催した環境講座「地産地消と私たちの食生活」に参加してきた。講師は、鹿児島県農政部経営技術課農村生活係長の後藤真喜子さん。
鹿児島県は3年前から、“鹿児島の食の交流”をテーマに、県知事をトップとして農政、教育、JA、経済連、漁連、PTA、マスコミ、生協、小売業、観光業など各方面と連携し、地産地消の普及や実践を図ってきたらしい。当初はまだ「地産地消」という言葉さえ知らない人がほとんどだったが、現在はあるアンケートで「地産地消」の知名度は86%まで増えていたとのこと。
“地元で穫れた物を地元で買う(食べる)”ということは、当たり前のようでこれまで積極的には行われていなかったということも驚きだった。旬の物を新鮮なうちに(産地に近い所で)消費すれば、栄養価も高いしエネルギー(ビニールハウスの燃料・運搬の燃料等)消費削減の面からも利点が大きい。しかし経済的には、エネルギー消費のコストをかけても都会まで運んで売った方が利益が多いので、鹿児島の農業関係者の目は地元には向けられていなかったという。
現在は学校給食で地元産は5割を超えるようになったし、農村加工グループ(女性起業家)は県内で120グループにも上り、ドレッシングやジャム、菓子などたくさんのヒット商品がでている。またそれらをホテルなどでも取り入れ、観光資源のひとつとして活かす動きも見られるようになったとのこと。「地産地消」が進むと多方面に多くのメリットがあることを改めて知り、今後も益々盛んになり引いては自給率の向上にまで繋がってほしいと思った。
今日のエコニュース:国土交通省下水道部と国土技術政策総合研究所は、08年度を目標年度とした第3次下水道技術五カ年計画案を策定した。その中で下水の水環境への影響を評価する技術や環境ホルモン、病原性菌など各種リスク物質の監視とリスク評価技術などを開発する方針を盛り込んだ。(環境新聞社)

2004/3/26(金) 私は525万円借金しています
「あなたは、国に525万円借金しています」と言われて、「はい、そうです」なんて答えられる人がいるだろうか?家を建てる・新車を買う時などは別として、多くの人が普通の生活をするだけで525万円も借りることはないと思うし、事業をやっている人は会社の資金としては借りることはあっても、個人的な生活まで借りるようになったら、かなりの危険信号が点っている状態だろう。
でも現実、日本国民は生まれたばかりの赤ちゃんから寝たきりのお年寄りまで、すべての人が国から525万円借りて暮らしていることになっているらしい。4人家族だと、どんなに日々慎ましく暮らしている家庭でも、一家で2100万円も借り入れしていることになる。なんか釈然としない。
財務省は25日、国債や借入金などを合計した「国の借金」の総額が、2003年12月末時点で、670兆1212億円(過去最高)に上ったと発表した。この借金の総額は、04年度の税収見通し(41兆7470億円)の実に16倍にも達するとのこと。いつまでに誰が返せるというのだろう。しかも、今年も過去最高額となる新規国債を発行する方針なので、この借金は今後も膨張し続けることは明らかだ。
みんなの税金等から集めたお金を使って、私たちが安心・快適・文化的な生活を維持するための役所、警察、学校、病院、道路・・・など様々な設備・整備を整えてくれたことは、本当にありがたいことだし、そのためには個人個人の負担も当たり前だと思う。でも、返せないような借金をしてまで作る必要があったの?という施設も少なくないし、借金の連鎖を止めようとしない政府もおかしい。
この先、どうなっていくのか?「借金はチャラです!」なんてことはあり得るのだろうか?私自身は借金するくらいだったら、生活レベルを下げても構わないと思っているが、どれくらいの生活だったら日本は借金を減らせていけるのか、誰か教えてほしい。でも役所や学校で職員も雇えないから閉鎖、水道もこない、電車も走らない、警察官に給料も払えなくて治安も守れない・・・という事態にまではならないよね!?
今日のエコニュース:ダイオキシン規制の強化で00年度から03年度にかけて焼却を停止しながら解体されないままになっている焼却施設が、全国の一般廃棄物(家庭ごみ)で全体(667ヶ所)の8割にあたる531施設、産業廃棄物では全体(1923ヶ所)の7割にあたる1384施設にのぼることが朝日新聞社の調査でわかった。予算を新施設の建設費に振り向けたことや解体費用が高騰したことなど、財政難を理由に放置されており、このまま長期間廃炉が放置される可能性が高く、環境汚染を心配する声も出ている。(朝日新聞)

2004/3/25(木) 地球は大量絶滅期の時期を迎えている?
今日届いた環境関連のニュースの中で、「わかっていたけど、泣けてくるよなぁ・・・」というものがあったので、紹介します。(2004年3月19日、ロンドン)
『 地球は過去6億年間に5度の大量絶滅を経験しているが、現在が6度目の絶滅期なのではないか?という科学者達の懸念が現実のものであることを、最新号の「サイエンス」誌が明らかにした。
研究を発表したイギリス科学者たちによると、イギリスの蝶類の71%、鳥類の54%、また多種の植物が既に絶滅もしくは絶滅の危機に瀕しているという。 また「ここ数百年間での絶滅率は通常での絶滅率の200倍であり、地球が過去5回経験した大量絶滅の際の絶滅率に近づいている」ということだ。
過去における大量絶滅は地球外の自然現象が原因と考えられるが、現在地球が経験している大量絶滅は人為的な原因が大きい。種の減少や絶滅が進む一方で、ある種の蝶においては地球温暖化が原因で生息地が北に広がり、結果として数を増やしているケースもある。しかし大部分の種においては温暖化が原因で数が減少したり絶滅の危機に瀕しており、動植物の生息地を人間が破壊したことや環境汚染が、種の絶滅が急速に進んだ原因だと科学者たちは考えている。』
みなさんは、どう思われますか?地球上、すべての生き物たちの“生死”の鍵を握っているのは私たち人間です。でもその責務を、どれくらいの人が意識しているのか?私も安易なライフスタイルを捨てられない一人です。。。

2004/3/24(水) GOODコミュニケーションとは・・・
昨日の事務局日誌に書いた相手には、「自分が不快に思ったこと。必要以上にプライベートなことは聞かないでほしい。」ということを、簡単な文章にして伝えた。すぐに、私の思いを受け入れて謝罪の意が書かれた返事をもらったので、この件は“手放す”ことにした。イヤな気持ちがずっと渦巻いていたが、“自分の気持ちを率直に伝える”という行為ができたことで、私も一歩成長できたかなと思う。
事務局日誌を読んでくれた知人から、「今日は気持ちのいい日になりましたか?」と私を気遣ったメールをもらった。彼女はカウンセリングにも詳しいので、『ほとんどの人が子供の頃から“聞かれたことに答えなければいけない”、“間違えたらダメ”という中で育ってきているので、その思いで自分で自分を縛っているようです。そこで“パスと言う”、“間違ってもOK”という気持ちが大事。“不快な感じがした”ときは、その感じを受け入れ、ひたってみるのもいいですよ。。。」とアドバイスをくれた。
人はひとりでは生きられない。親密度の違いは大いにあるが、誰かしらの他人と共に支え合って生きている。相手の立場も考えながらも、自分の気持ちも素直に伝える。その中で、互いの妥協点が見つけられたらいいなぁと思う。個人的なわだかまりが、やがては国と国との争いにまで発展する。やっぱりGOODコミュニケーションは、日常の小さな積み重ねが基本。それには、経験や訓練を積むことが、結構重要だ。
今日のエコニュース:国土交通省は、日本経団連と協力して運輸(物流)分野で排出される二酸化炭素の削減に乗り出す。6月をめどに国土交通省が排出量の算定マニュアルを作成。経団連はそれに基づき、産業分野で進めている環境自主行動計画の運輸版を策定し、加盟企業の取り組みを促す方針。(運輸分野の二酸化炭素排出量は年間約2億6700万トン。国内の排出量の22%を占める)(朝日新聞)

2004/3/23(火) 言ってイイコトとワルイコト
今日は昼前に会った人との会話で不快な気持ちを味わい、そのままずっとその気分を引きずっている。私を傷つけようとして発した言葉ではないとわかっていたので、私も話しを合わせて適当に返答していたが、私のプライベートなことを、さも心配そうにずかずかと聞かれて、とても疲れてしまった。
改めて人とのコミュニケーション、会話の在り方はむずかしいと思った。この間、教育研究家の平井雷太さんの話の中で「答えたくないことは答えなくていい」という言葉に、どきっとしたことを思い出した。自分の権利として「話したくないことは、はっきりと断る」「自分は不愉快だという意志を伝える」ことは簡単そうで、実際はむずかしい。
翻ってみて、自分自身も他人を傷つけるような言葉を発していないか、必要以上にプライベートなことまで入り込んでいないか、と反省した。私も人と話をすることは好きだし誰とでも話ができる方だから、言い過ぎ聞き過ぎのところがあるかもしれない。何事も「人の振り見て、我が振り直せ」で、気を付けなければいけないと思った。
今日のエコニュース:地球温暖化に大きく作用する世界の大気中の二酸化炭素(CO2)濃度について、気象庁は22日、02年の観測結果を発表した。平均濃度は374ppmと過去最高値を更新し(世界102ヶ所で観測)、依然としてCO2が地球規模で増加していることがわかった。同庁は「地球温暖化による被害軽減のため、CO2など温室効果ガスの排出削減に向けて一層の取り組みが必要だ」としている。日本の観測3地点(岩手県大船渡市・東京都小笠原村・沖縄県与那国町)での平均濃度も各地点過去最高値を更新した。(朝日新聞)

2004/3/22(月) 天狗に会いに出かけてみませんか?
「劇団ふるさときゃらばん」のプロデューサーで現在鹿児島地区を担当をしている鈴村さんと会ってきた。「劇団ふるさときゃらばん」は、全国の3分の1にも当たる1,000自治体以上で、これまで30作近いミュージカルを公演。その数多い作品の中のひとつ『天狗のかくれ里』という作品を、4/10は鹿児島市民文化ホール、4/11は日吉町で行うこととなり、そのPRに鈴木さんが奔走されている。
『天狗のかくれ里』は、大人と子供が一緒に楽しめ、共に環境について考え・語り合える冒険ミュージカルファンタジーで、森に迷い込んだ小学生が天狗に知恵と勇気、自然の不思議な力を教えてもらいながら成長していく姿を描いている。
鈴村さんといろいろ話しながら、環境問題だけでなく社会のひずみや日本人が忘れ去ろうとしている故郷への思い、人と人との心の交流など、たくさんたくさん熱い思いを持ちながら作品を作り、全国を回っていらっしゃることが伝わってきた。
春の一日、是非お時間を作って『天狗のかくれ里』にお出かけ下さい。チケットは事務局でも預かっています。
 ※『天狗のかくれ里』の詳しいことは → 「劇団ふるさときゃらばん」のHP
今日のエコニュース:環境ホルモンの疑いを持たれている殺虫剤のケルセン(ミカンなどの果樹や野菜のダニ用として日本でも40年以上販売・使用されてきた)を販売してきた米ダウ・ケミカルの日本法人は、農薬登録を取り下げて販売を中止し、流通業者や農家の在庫を自主回収することを明らかにした。環境規制の強化で採算に合わなくなったためで、「農薬としての安全性は確認されているが、使用者の安心のために回収する」と説明している。(朝日新聞)

2004/3/21(日) 「総合的な学習」について
昨日の午前中は、鹿児島大学で行われた「総合的な学習の時間におけるエネルギー・環境教育」(講師:環境・エネルギー総合研究所 大庭みゆき所長)という講義を受けてきた。実は小中高教員を対象にした2日間研修のひとつだったので、私以外は教員か学生だったが、おもしろい話しが聞けた。
ここ数年「総合学習の時間に環境問題の講演をお願いします」と塩川事務局長に講演依頼は受けてきたが、あまり深く「総合的な学習」という中身を知らなかったなぁと思った。ただ漠然と、“各教科にこだわらない学習”ぐらいの認識だった。でも大庭さんが関わった福岡市の小学校における事例発表を聞いて、「国語も算数も理科も社会も道徳も図工も、全部を総合的に活用した学習をすることが目的なんだ」ということがわかった。
たとえば、グループでひとつの研究テーマを決め、調査・実験し、それをみんなに発表するためには、理科的実験技術も活用するし、それで得られた数字を計算、統計を出すためには算数の力が必要。時にはパソコンのエクセルも使いこなしグラフ化する。アンケートや調査するときは、社会の知識でどんな人にどんなことを聞くべきかを考え、それらをまとめ、発表するには国語力もいる。またみんなにわかりやすく説明するためには資料を工夫する図工の技術も重要。そしてテーマの選別から発表までグループでチームワーク良く進めていくためには、道徳で学ぶ“協力”の大切さも体験する・・・
大庭さんが紹介してくださった授業は、5,6年生で一年間を通して、ずっと継続的に行っていくという「総合的な学習」で、実際はこのように長期で取り組む学校は少ないという。でも、そんな風に自分たちで選んだテーマを1年かけて取り組むと「よくがんばった」と自己評価を高くできる子供たちも増えるし、いろいろな知識を総合的に使うという基本的でありながら、実際には学校ではなかなかできないことが可能なんだということがわかった。
しかし、このモデル事業的学習も来年度からは予算も下りず終了しそうだということだった。同じく福岡で省エネ授業を広めていた中村先生(長崎大学)も、夜間中学に関わっている方の話しでも、年々予算が削られて困っているということをおっしゃっていた。将来を担う子供たちへの投資は絶対必要だと思うのだが・・・
今日のエコニュース:伐採後3年以上、造林されていない人工林の伐採跡地の面積は、02年度末で、約2万5千ヘクタールに達し、4年間に12%も拡大していることが20日、農水省の全国調査でわかった。地球温暖化防止に向けて、森林保護が叫ばれる中、むしろ森林荒廃の加速が懸念される実態が浮かび上がった。(鹿児島新報)

2004/3/20(土) ピースウォークに参加してきました
3月20日はアメリカがイラクへ侵攻、開戦してからまる1年。アメリカは「終戦宣言」を出し、「戦後復興のため」と日本を始め各国がイラクへの支援活動を続けている。しかし毎日のようにテロによる死者が出ている現状をみると、その復興支援方法が「イラクの人たちが本当に望んでいる道とは違っているのでは?」と思ってしまう。
今日は世界中51ヶ国以上、日本国内でも130ヶ所以上で、ピースアクションが行われたようだ。鹿児島でも、いくつかの団体が集会や平和行進をし、私もそのひとつに参加してきた。私が参加したピースウォークは、市民グループ「みんなで平和をつくる会」の呼びかけで、個人的に平和への意志を強く持った人たちが自主的に集まり、「戦争反対行動」というよりも「平和アピール行動」という意味合いが強く、音楽をかけながら、ギターで歌いながら、思い思いの言葉を発しながら、ザビエル公園から照国神社近くテンパーク公園まで天文館周辺を楽しく明るく歩いてきた。いろいろな人たちが手を振り返してくれたり、チラシも受け取ってもらえると、少しでも気持ちが伝わったかなとうれしかった。
誰だって、戦争なんかきらいだと思う。それを声に出して言わないのは、自分の上には砲弾が落ちてこないと思っているから?自分の家族は戦地に行かないと思っているから?私はこの世の中で起こっていることで、自分には100%関係ないことはないと思っている。環境問題だって、戦争だって、周り回って自分の問題だと思っている。だからとりあえず自分にできることはする。それが自分が生きていく上で、“果たすべき責任”だと思うから。
今日のエコニュース:米紙ニューヨーク・タイムズの電子版は19日、米食品医薬品局(FDA)と環境保護局(EPA)が、缶詰めなどに利用されるビンナガマグロなどに水銀が含まれているとして、摂取量の規制勧告を同日発表すると報じた。それによると、ビンナガマグロには他のマグロよりも高いメチル水銀が含まれており、妊婦や授乳中の女性、幼児は1週間に6オンス(約170グラム)以上食べないよう勧告される。また、キハダマグロについては同12オンスが許容範囲という。日本国内では、水産庁が昨年6月、国内消費されるマグロ類の水銀濃度について、「国際食品安全基準(メチル水銀で1ppm)の範囲内」だとの調査結果を発表している。(時事通信)

2004/3/19(金) 心を開いて、受け入れる
昨日の夜は、ホームレス支援を行っているメンバーと共に、ザビエル公園と甲突川沿いを回った。昼間は暖かかったが、夜はさすがにまだ冷たい風が身にしみた。
たわいない世間話しをしながら、数人の方たちの人生の一端を聞かせてもらった。「会話をする」という行為は、人間にとってとても重要なこと。一日中誰とも話さないことが、どんなに寂しく心細いことか。慣れることはあっても、全く平気だという人は少ないだろう。物の支援ももちろん大切だと思うが、“相手の話を聞く・自分の思いを話す”など心のコミュニケーションが根本にあってこそ。それは、何もホームレスの方たちに対しての支援だけじゃなく、すべての人間関係に通じている。まずは、“心を開く”。でもこれがなかなかむずかしいことでもあるのだが。
100人いれば100人の、1000人いれば1000人の人生があり、誰一人として同じ生き方はしていない。そのそれぞれの人生に対して、“いい”、“悪い”とか、“普通は・・”、“一般的には・・”とかいう基準で、自分と他者、他者と他者を簡単に比較・否定してしまうのは、おかしいのではないかと思っている。思ってはいるが、これを受け入れるのも、心・度量の広さが必要だ。私はまだまだだなぁ。。。
今日のエコニュース:食品廃棄物や家畜の排泄物などの「バイオマス」(生物由来の有機資源)をエネルギー源として利用促進するため、地方自治体でつくる「バイオマス活用協議会」が4月中旬に設立されることが決まり、これまで全国から70自治体が参加を表明した。(毎日新聞)

2004/3/18(木) まずは関節を柔軟に
体にいくつ関節があるか、ざっと数えてみた。全部で68ヶ所。そのほとんどが手足の指の関節だが、結構あるもんだなと思った。関節が固くなると、体のすべての動きも固くなる。周りの筋肉も硬直しやすくなり、体全体のバランスも悪くなる。引いては、あっちこっちが痛むようになるし、内臓にも影響を与えるらしい。運動ができない人も、きらいな人も、とりあえずは“関節を柔らかく”すれば、健康体に近づけるようだ。
まずは関節をよく動かすこと。手足の指の関節は握ったり広げたりを繰り返しましょう。足の指の間に手の指を入れ、手と足の指を絡め組むような感じで、足首を回すのも効果的。足の指が十分に広がらないために手の指が入らない人が結構いるが、毎日続けているとできるようになるので、そういう人もあきらめずに続けてほしい。足の指が広がると、1本1本に力が入り踏ん張れるようになる。そうすると高齢になっても転倒の危険が小さくなる。
膝やももの付け根、手首・肘・肩もできるだけ大きく回す。首を回すときも、意識を広げ大きく回す。痛むときは決して無理せずに、痛くない所だけでOK。無理をすれば、筋肉が緊張して逆効果。
どんな人も、生まれた時から、息を引き取る最期まで、ずっとつきあっていくのは自分の体だけ。あっちが痛い、ここが悪いと嘆かずに、まずは関節を柔軟にして、自分の体と仲良くつきあっていきましょう。
今日のエコニュース:経済産業省の燃料電池実用化戦略研究会はこのほど、水素社会に向けた2030年までのシナリオ案をまとめました。それによると、2030年に燃料電池車1500万台、定置用1250万kwの目標を掲げた。(環境新聞)

2004/3/17(水) 桜・さくら・サクラ・・・
曇り空の下、上着を脱いで歩いていると、市電の線路脇に濃い紫色の“スミレ”がたくさん咲いていた。最近は人工的に作られた多色の花が街中を彩っているが、純朴な自ら受け継いできた遺伝子だけで咲いている花を見ると、愛おしいような気持ちになった。
折しも今日は、東京と福岡で全国一早く“サクラ”の開花宣言が出され、いよいよ春が来た気がする。しかし、気がかりなこともある。それはここ数年、鹿児島での桜の開花が遅くれていること。どうやら今年も同じ現象になっているようだ。
桜は夏の間、翌春に咲く花の元となる芽を作り、夏を過ぎて気温が下がり始めると休眠状態に入る。そして秋から冬にかけて、じっくりと休んだ桜は、一定の低温が続くと眠りから目を覚ます(休眠打破)。1.5度から12.4度までの気温では休眠打破は早まるが、逆に冬が暖かく16度以上になると休眠打破が遅くなる性質があり、これが鹿児島の開花が遅くなった原因。つまりは、温暖化による影響のひとつだろう。
これから桜前線と共に全国各地でお花見が行われるだろうが、毎年報道されるゴミの山は目に余る。美しい桜の下で、ゴミの花が散らかっているのは悲しい。「ゴミは持ち帰る」は、小学生でも知っていること。それができないとは、子供にも桜にも恥ずかしい。
 ※桜の詳しいことはこちらから→「サクラ開花情報」のHP

2004/3/16(火) お金の循環はむずかしい
構想から約30年で、やっと半分実現した九州新幹線。13,14日は乗客数が予想以上だったが、それでも乗車率は両日で平均46%。でも特急つばめ時代に比べれば2.5倍だったとのこと。ここにきて、「肥薩おれんじ鉄道」の経営問題を始め、騒音問題、残り部分の建設費が予定額以上にかなり必要・・・など「バンザイ!バンザイ!」と単純に喜べることばかりではないが、せっかく作ったものなので十分に活用してほしい。「新幹線がほしかったのではなく、新幹線工事がほしかったのでは」、「整備新幹線」ならぬ「政治新幹線」という声を跳ね返すくらいの。
さて、お金がかかると言えば、03年の家計は90年に開始した日銀調査「資金循環統計」で、初めての赤字になった。つまり1年間に得た所得だけでは消費や投資が足りず、預貯金を取り崩し、また借金して暮らしてきたという姿が浮き彫りになった。戦後長らく黒字を続け、政府や企業の赤字をまかなってきた優等生だった家計部門が、雇用環境の悪化、住宅ローンや教育費の圧迫など様々な理由で、「伸びぬ収入、減らぬ支出」という形になっている。
鹿児島県の財政も、このままいくと06年には破綻するのではということも聞いた。お金も資源と同じく限られたもの。“循環型社会の実現”は、リサイクルのことだけでなく、お金も偏った所や人ばかりにいくのではなく、有効かつ効果的に循環してほしい。現実はむずかしいこともよくわかっているが。。。
今日のエコニュース:宮崎県南郷町が使用済み核燃料中間貯蔵施設の立地可能性調査を九州電力に要請する方針を決めた問題で、同町議会は15日、「現段階で調査を要請することに反対する」との決議を賛成多数で可決した。町議会は11日、全員協議会で要請に同意していたが、その後町内外からの反発も高まり、わずか4日間で逆転した。(毎日新聞)

2004/3/15(月) フェアトレード商品について
『フェアトレード(公正な貿易)』が着実に広がっている。フェアトレードとは、“生産者パートナーと公平に貿易をする、買う人がよりよい選択をできるように情報を提供する、昔からの技術や文化を大切にする、環境にやさしい貿易を進める、持続可能な社会の発展を目指す、性別・人種・民族・文化で差別しない・・・”などのポリシーを持った貿易だ。また環境に関しても“森を壊さない、水を汚さない、空気を汚さない、農薬や化学物質を使わない・・・”など配慮をしている。
これまでもいろいろなNGOや関連企業がフェアトレードで流通・販売などを行ってきたが、最近は一般企業も手がけるようになった。特に国際フェアトレードラベル機構が認めたコーヒー豆は、一般市場にも出回るようになり、たとえば世界各国で店舗展開している「スターバックス」、スーパーのジャスコなどを運営する「イオングループ」、コーヒーの卸や販売をする「トーホー」でも認証ラベル付きのコーヒー豆を取り扱い、他の商品と一緒に店頭に並ぶようになった。
ファッション・雑貨・食品市場でも浸透し始めているが、認証ラベルや商品説明が付いていないと、なかなかフェアトレード商品か否かという判断はむずかしい。欧米ではフェアトレードラベル商品が一般のマーケットにも普及し、スイスではラベル付きバナナのシェアが25%、ハチミツが10%にもなるという。日本でも、もっと普及してほしいと思う。
今日のエコニュース:環境省は、国内の企業から排出される二酸化炭素の総排出量を初めて公表した。01年度は、9億7100万トンに上り、90年に設けられた地球温暖化防止を目指す京都議定書の基準年より4.5%増えていた。この結果は、不況に伴い工場などの稼働率が落ちた反面、サービス業重視の産業構造変化で事業所の床面積が増えたことなどが主な要因という。分析によると事業所やオフィスビルからの排出が30.9%増、社用車や輸送トラックから17.1%増。(共同通信)

2004/3/14(日) 花粉症対処法
最近続けて「花粉症になったみたい」という人がいたので、対処法を調べてみました。
まず、食事のことから。原因を花粉やハウスダスト、ダニだけに見つけるのではなく、自分の食べ物からその原因を考えることは、何の病気にしても大事です。今私たちが好んで食べている“肉や魚、添加物の入ったインスタント食品、脂っこい物、不自然に甘い物、刺激の強い物、繊維質のない柔らかい物、タバコ”は、血液状態を悪くし、かつ皮膚や目・鼻などの粘膜を作る材料が不足。結果、表皮の保護作用が弱くなっていきます。そのようなところに花粉が付着すると、花粉自体の分解酵素に刺激されて、粘膜がジクジクになってしまうそうです。そこで、免疫機能を高める食事が最善の治療になります。上記のような食べ物を控えて、玄米や梅干し、長期熟成させたみそ、醤油などで、長時間じっくり煮込んだ根菜(ごぼう、大根、人参、レンコンなど)や海草類(根昆布など)が、最良です。(「血液力」(千坂式食療法)より)
次はツボ療法。花粉症やアレルギー性鼻炎は、副甲状腺が弱っているために過敏症が起きています。まず副甲状腺の反射区(親指付け根から1センチ程下がった足の内側寄り)をもみ、鼻の反射区がある親指全体をもみほぐせば効果的です。このとき、足の裏中央にある腎臓のツボ、そしてそこから“土踏まず”のかかと寄りにある膀胱のツボを結ぶ輸尿管、そして膀胱のツボの3点を、副甲状腺と親指全体をもむ前ともみ終わった後にもみます。そして仕上げとして冷たくない水をできれば500ccくらい飲むと毒素が排出されやすくなります。ただし食事後1時間はツボ押しは行わないこと。これはツボを押すときの原則です。(「官足法」より)
花粉症は、前触れもなく突然起きてしまうようです。日頃から、食事や足全体のツボ押しみたいなことは、実践するに越したことはないように思います。
今日のエコニュース:関西電力高浜原発3,4号機で、ウランとプルトニウムの混合酸化物(MOX)燃料を使う「プルサーマル計画」について、福井県は13日までに、関電が策定した検査データねつ造などの不正防止策と品質保証体制を容認し、海外でのMOX燃料加工委託を了承する方針を固めた。99年の問題発覚から延期されていた計画が4年ぶりに動き出す見込みとなった。(毎日新聞)

2004/3/12(金) 蛍が運んできた初夏は、まだ3月
熊本県芦北町の湯浦川水系の小川で10日夜、今年初めて蛍が瞬いているのが確認され、地元でも「全国的にみても記録的な早さでは」と驚いているという。蛍と言えば通常は初夏の使者として5、6月に美しい姿を現すのだが。
“三寒四温”の最中で、汗ばむような日もあれば、冬に逆戻りしたような日もある。だんだんと春の足音が間近に聞こえてくるようになったが、それにしても3月に蛍とは、ただ単にめずらしい出来事としては片づけられない。温暖化による影響、地球環境の変化が、何百年と続けてきた生き物と気温の関係に狂いを起こしているひとつの現れだろう。
人間は多少の温度変化には対応できるが、人間以外の動物・植物にとっては死活問題。蛍も、そのうち絶滅危惧種になってしまうのか。地球全体でみれば、今この瞬間にも絶滅していく種がたくさんある。毎日100〜300の種が失われていると言われているのだから。地球上すべてで“そして誰もいなくなった”状態にはなりたくない。
今日のエコニュース:東京都の都営住宅で屋上緑化が始まり、足立区江北の都営住宅での実証実験に続き、今年に入って練馬区光が丘、、品川区八潮でも採用された。都は深刻化するヒートアイランド現象を抑制する手段の一つとして都自然保護条例を改正し、01年度から一定規模以上の建物の屋上緑化を義務づけている。(毎日新聞)

2004/3/11(木) ホームレス支援活動に参加して
ホームレス支援活動に、初めて参加してきた。でも私は大したことをしてきたわけではなく、ただホームレスの方たちと少しお話をしてきたという感じだった。
最初、ザビエル教会で6人の方たちにおにぎりやスープ、お漬け物をさしあげながら話しをした。話してみると、失礼な言い方かもしれないが“本当に普通の人たち”。ただ住む所がないということだけ、という気がした。その後2班に分かれて、私が同行した班は4人で水族館・桜島桟橋周辺をまわった。夜は空き缶回収などお仕事に行かれている人も多いようで、お話ししておにぎり、カイロなどを渡せたのはおふたりだけだった。いらないとはっきり断った方もいるし、眠っていたので声をかけなかった人もいる。もう少ししたら鹿児島を離れるという人もいたし、生活保護の申請中の方もいた。近々行政の保護でアパートに暮らせるようになる方もいるという話しも聞けた。中には女性も。
もう一班は、甲突川周辺をまわってきた。そちらの方にも、かなりの方たちが暮らしているとのこと。実際は、どのくらいの人たちがいるのか、完全には把握できていないらしい。
支援の在り方などむずかしいことを考えだしたらキリはないが、とりあえずコミュニケーションなのかなと、今日少しだけお手伝いして思った。ちなみに次回は18日(木)20時、ザビエル教会を出発点にまわります。
 ※ホームレス支援活動の詳しいことは→「鹿児島の路上生活者を考える」のHP
今日のエコニュース:大手家電量販店ヨドバシカメラとビックカメラの福岡市内の店舗から、委託されて回収したリサイクル処理用の廃家電を、無許可の産業廃棄物運送業者に「横流し」していた問題で、福岡県と福岡市は10日、廃棄物処理法違反の疑いで同日から90日間の事業停止処分にした。また、家電の横流しは、環境省と経済通産省の調べで、さらに8900台(前回発表は2500台)がメーカーに引き渡されていなかったことがわかった。(朝日新聞)

2004/3/10(水) 菜の花プロジェクト
いろいろなエネルギー革命が行われているが、そのひとつとして燃料を得る目的で栽培される「エネルギー作物」が、今各地で広がっている。
滋賀県環境生活協同組合が、98年に提唱した「菜の花プロジェクト」は現在、37道府県の80を超える地域に広がっている。休耕田に8〜10月、ナタネの種を播き3〜5月にナタネを収穫。搾った油は地元産の食用油として学校給食や地域で使った後、回収してディーゼルエンジン向けの軽油代替燃料(BDF)に加工する。また油の搾りかすなどは肥料として、翌年の栽培に活用する、という仕組みだ。
まだコストの面等で問題が残るが、静岡県トラック協会は農家にエネルギー作物の栽培を委託し全量買い取り、軽油に混入して実験的に走行性能や排ガスの性状などのデータを取っているという。環境対策が迫られているトラック協会としては期待が大きいようだ。
鹿児島では2000年4月から曽於郡の8町村で、町からごみの回収の委託を受けている「そおリサイクルセンター」が家庭廃油を回収し、燃料化プラントで自動車燃料に加工。ごみ収集車や作業車に使っている。これは、まだ直接エネルギー作物の栽培には繋がっていないが、今後は菜の花プロジェクトの仕組みを取り入れようとしているようだ。
“お花畑が観光&環境対策につながる”ということで、一石二鳥、三鳥の効果があり、是非鹿児島でも実現してほしいと思った。
 ※菜の花プロジェクトの詳しいことは→「菜の花プロジェクトネットワーク」のHP
今日のエコニュース:気象庁は10日西日本を中心に12日にかけて広範囲で黄砂が予想されるとして、「黄砂に関する全般気象情報」を出して注意を呼びかけた。同庁が今年1月から運用を開始した黄砂予測として初めての発表。(共同通信)

2004/3/9(火) エコ住宅にびっくり!
今晩のニュースステーションで、最新の蓄電装置に自然エネルギー(太陽光・風力)を貯め、生中継に使うすべての電力を賄う、という世界初の試みを見た。その蓄電技術も感心したが、それ以上に中継された“エコ住宅”に感激した。
それは、東京で一級建築士として活躍されている善養寺さんの自宅“アクティブ・エコ住宅”だった。太陽光発電と太陽熱温水器の設置。雨水利用を利用して生活水をリサイクルし家で使用する水の8割を補い、しかもトイレの水まで浄化槽でバクテリアを使って浄化し繰り返し使用。床材の下にウォーターパックなるものを敷き、昼間の外光で蓄熱し夜はその熱で一定の室温を保つ。もちろんそれだけでなく外断熱工法を取り入れ室温は年間を通して22度に保たれているそうだ。その他も諸々の工夫が行われていた。
エコ住宅は大きく「アクティブ型(太陽光発電システムや省エネ型給湯器など、エネルギー効率のいい機械設備を積極的に使用)」と、「パッシブ型(ガラス戸を二重にする、壁や床に蓄熱層をつくる等)」の2タイプに分かれるという。最近、よく“エコ住宅”という言葉を聞くようになったが、そのレベルはいろいろあるようだ。
自宅を持てる人持てない人、工夫が可能な環境にあるかないかなど、気持ちはあってもすべての人が“エコ住宅”で暮らせる環境ではない。でも自分にできること。たとえばカーテンを厚手にし外気温を遮断する、雨水を貯めて水やり・洗車に使う、トイレのタンクにペットボトルを入れて水使用を減らす、買い換えの時は消費電力が少ない照明器具・家電を選ぶなど・・・知恵をしぼって我が家なりのエコ住宅を実践してみましょう。
 ※善養寺さんのエコ住宅の詳しいことはこちらから→「オーガニックテーブル」のHP
今日のエコニュース:パソコン1台の製造には燃料や水、化学物質が合計約1.8トン(240キロの化石燃料、1500キロの水、22キロの化学物質)も必要で、コンピューターの大量生産、大量廃棄は地球環境に重大な影響を及ぼすとの調査報告を国連大学(本部・東京)の研究グループが7日発表した。(共同通信)

2004/3/8(月) ランドセルのリユース
先日の朝日新聞の記事で、卒業して使わなくなったランドセルを、アフガニスタンの子供たちへ届けるプロジェクトがあることを知った。
ランドセルは子供たちの成長記録でもあるから、なかなか捨てられない物のひとつだと思う。その思い出のランドセルを有効に活かすために、ランドセルメーカーのクラレとNGOジョイセフ(家族計画国際協力財団)が共同で企画し、物資が不足しているアフガニスタンに送ることになった。現在アフガニスタンでは、学用品は布きれに包み登校していて、日本のランドセルの写真を送り使い方を説明したところ、「雨や風にも使えそう」「勉強の励みになる」「兄弟みんなで使いたい」と、希望者は3万人を超えたとのこと。
2月初めからインターネットなどで呼びかけたところ、全国から問い合わせが相次ぎ、既に700個の申し出があり、4月中には第1便として1000個を送る予定。ランドセル以外にもランドセルをめぐる作文や、鉛筆やノート、クレヨンなど未使用文具も受け付けている。
とってもいいリユースだなぁと思った。アフガニスタンの子供たち同様、ランドセルも第2の人生をもらって、きっと喜んでくれるだろう。
 ※詳しくはこちらから→「ランドセルは海を越えて」のHP
今日のエコニュース:米国で西ナイル熱が大流行しているのは、アカイエカのうち人を刺すタイプと鳥を刺すタイプの交雑によって、両方を刺す系統が生まれ、その個体数が増えているためと考えられる、と米国立自然史博物館のチームが5日付の米科学誌サイエンスに発表した。米国ではここ2年、西ナイル熱で年間200人以上が死亡している。日本でも、人と鳥を両方刺すアカイエカの存在は、すでに確認されている。(朝日新聞)

 
2004/3/7(日) 「肥薩おれんじ鉄道」もお忘れなく
ちょっと調べることがあって、「九州新幹線」と「肥薩おれんじ鉄道」について、インターネットで検索してみた。「九州新幹線」については、54700件もページ検索にかかってきたが、「肥薩おれんじ鉄道」については、1440件。関心度の違いからか50分の1程だった。
肥薩おれんじ鉄道株式会社」は、熊本県と鹿児島県、そして沿線の10市町村が出資し、第三セクター鉄道会社として平成14年10月31日に設立した。区間は川内駅から八代駅までで、区間内には27駅あり、有人駅10に対して無人駅が17。経営的にはかなりの苦戦を強いられている。新幹線のメリットばかりが強調される中、地方の小さな町や村に弊害も出てきているのも事実だ。
それでも、肥薩おれんじ鉄道は片道タイプで乗り降り自由な割引きっぷを発売したり、観光列車を運転したりと、いろいろな企画を予定しているようだ。
いよいよ1週間後の13日には九州新幹線の一部開通(鹿児島中央駅〜新八代駅)が実現する。そして、同時に肥薩おれんじ鉄道も新しい列車が走り始める。スピードアップされる旅の影に隠れがちだが、スローライフが見直されている昨今、たまにはのんびりと昔ながらの列車の旅を楽しむのもいいのでは?窓が開けられるというのは、これからの季節、きっととっても気持ちがいいと思いますよ。
今日のエコニュース:国の天然記念物コウノトリの野生復帰に取り組む兵庫県が「コウノトリファンクラブ」を6月に設立し、全国から会員を募る。同県豊岡市で飼育されているコウノトリは、05年に試験放鳥される予定。このとき、全国各地に飛んでいく可能性があるため、会員から餌場やねぐらの情報を寄せてもらう。(朝日新聞)

2004/3/6(土) びんのリサイクルとリユースについて
UFJ総合研究所の環境・エネルギー部のお二人との『焼酎びんリユースの現状と課題』という懇親会があり出席した。
瓶は缶やペットボトルよりは環境負荷が少ないのは事実だが、ビール瓶以外はほとんど“ワンウェイ瓶(1回使用した後は砕かれてカレットとしてリサイクル)”で、“リターナブル瓶(回収後、傷・破損がないものは洗ってリユース(再利用))”ではない。明らかにワンウェイ瓶よりリターナブル瓶の方が環境負荷は小さい。一昔二昔前はいろいろな瓶がリユースされていたが、重い・割れやすいなどの理由から缶やペットボトル、紙パックが急激に普及したことに加えて、多くのメーカーから多種多様な瓶が出荷されているため再利用がむずかしくなっている。循環型社会の実現のため、いろいろなリサイクルが進んでいるが、実際はリサイクルにかかる経費やエネルギーなどを考慮すれば問題点が多く、瓶も例外ではない。(2/9の事務局日誌もご参照下さい)
実のところ、今日の話しを聞くまではもっと焼酎瓶はリユースされているのかと思っていた。それに日頃からスーパーやコンビニでも実に様々なワイン瓶や清酒瓶が並んでいるのを見て、「これってきれいで素敵な瓶だけど、1回しか使われないからもったいないよなぁ」と思っていたことが現実の数字として示されて、私たち消費者側も見かけを選ぶ時代はもうそろそろ終わらなければいけないと改めて思った。
新しい試みとして鹿児島でも、大口のあるメーカーの焼酎900ml瓶のリターナブル化が4月から始まるという。たくさんの瓶流通から考えれば小さな一歩かもしれないが、是非成功し広がっていってほしいと思った。
 ※詳しくはこちらから→全国びん商連合会「活きびん維新」のHP

2004/3/5(金) 漁業は、海洋生態系を保護する時代へ
今日は啓蟄、虫たちも地表に出てくる時節になり、季節は冬から春へと向かっている。この時期私の口にまではなかなか届かないが、カニがおいしい漁期となっている。しかしそのカニを始め、魚、貝など海の生き物が減少し始めて久しい。
毎年11月から翌年3月までは京都府網野町の浅茂川漁港では、松葉カニ(ズワイガニ)の漁期で、たくさんの小型船が朝が明けぬうちから出港していく。しかしどこで網を引いても何十何百というカニが捕れていたのが、80年ごろになると、網に一匹もかからない漁がめずらしくなくなった。そのころの京都府沖の松葉ガニの年間漁獲量は約50トン。ピーク時(64年)の8分の1まで落ち込んでいた。原因は乱獲と混獲。カニの繁殖能力を超えた乱獲と漁期以外に別の漁種の漁で水揚げされた混獲だった。その後、いろいろなデータを基に保護策を打ち出し、最近の漁獲量は100〜200トンまで回復してきているという。
しかし必要な対策は残されており、水産省も特に減少傾向が強い漁種を対象に全国6漁場で、資源回復計画を進めている。そしてその背景には、92年のブラジルリオデジャネイロで開かれた地球サミットで「海洋の持続可能な開発」という考え方が提唱されたこと、95年には国連食糧農業機関を通じて世界中の漁業関係者に「責任ある漁業」が呼びかけられたことがある。
すんなりと保護策が浸透していったわけではなさそうだが、それでも「利用」と「保護」のバランスが少しずつ図られるようになっている。今後は温暖化の影響でも、プランクトンの減少、海水温の上昇などによる海の生態系への影響、漁獲量の減少が懸念されている。海からの恩恵に対しても更なる配慮が必要な時代になっている。

2004/3/4(木) 今日のあれこれ
エコ通信の13号が出来上がりました。今回は「そこが知りたい環境問題」は太陽光発電について、「あの人にインタビュー」は、かわなべ森の学校を主宰されている北島淳朗さんと塩川事務局長の対談です。その他、活動報告や会員の方からの投稿、環境関連新聞記事のトピックス、そして評判の「グリーンコンシューマーないしょばなし」も掲載しています。会員の方々には、今日発送しましたので、明日あさってにはお手元に届くと思います。どうぞ、またご意見ご感想などお寄せ下さい。まだ会員ではない方も、この機会に是非入会をご検討下さい。
また私事ながら、今日は息子の13才の誕生日でした。13年前の事がずいぶん昔のような昨日のことのような・・・身長も160センチを超え、もうすぐ私を追い越しそうです。すべての子供たちは日々変化し、成長し、進化しています。その未来を担う子供たちに対して、私は何ができるのか・・・何一つ満足にはできていません。せめて、地球の未来に絶望感しか与えられないような状況を回避するために尽力したい。親として一人の大人として、地球上のすべての子供たちに、明るい未来をバトンタッチすることが最大の責任のような気がする。
今日のエコニュース:鹿児島県は2日、県希少野生動植物保護条例に基づいて、計29種の動物と植物を、捕獲や採取が禁止される指定希少野生動植物に定めたと発表した。指定は03年3月の条例制定後初めて。(毎日新聞)

2004/3/3(水) 地球規模の問題を考える脳へ進化させましょう
『ヒトは環境を壊す動物である』という本(小田亮:著 ちくま新書)が出版されている。私が読んだわけでなく、この本を読んだ人が書いた感想が興味深かったので紹介します。
『共感や感情移入といった心の動きは小さな共同体の中で発達し、その集団サイズは現代人の大脳新皮質から考えると150人程度ということ。そもそも地球規模の問題を想像できる脳ではないらしいのだ。ところが、社会環境の変化は人間の生物としての限界を追い越した。環境問題は“身の丈サイズ”を超えている。そこで環境問題には従来とは異なる問題解決方法が必要という著者は、情報技術に希望の余地があるといっている。・・・』
人の脳って、せいぜい150人の人達にしか思いを配れないのかと思ったが、自分に照らし合わせてみると150人は、結構多い数。私の親戚、友人、知人入れても、そこまで広がらない。でも、帰属集団意識は少なくなり、隣人のことは知らなくても、芸能人のことは知っているという、不思議な時代。
脳の限界は超えてしまうのかもしれないが、自分が出したゴミ、汚水がどういう環境問題を引き起こしてしまうのか、どういう人たちに迷惑をかけるのか・・・地域や日本、そして地球規模まで思いを配る責任が、やはり私たちにはあると思う。
今日のエコニュース:環境省は1日、国内の生態系を脅かす外来の動植物などへの対策を盛りこんだ特定外来生物生態系被害防止法案をまとめた。法案は輸入や販売、飼育・栽培、保管、運搬などを国の許可が必要とした。(鹿児島新報)

2004/3/2(火) グー・チョキ・パー体操
体を使った「グー・チョキ・パー体操」で、体のコリをほぐしてみませんか?
まず、足の指で「グー・チョキ・パー」をしてみましょう。グーは、指を折り曲げます。足の指で物を掴むように感じです。チョキは親指は反って他の4本の指は折るようにして交差させます。そして、パーはおもいっきりすべての指と指の間を広げます。これ、結構大変です。なかなか思うほど広がりません。指がつらない程度にがんばってください。
次は、顔の「グー・チョキ・パー」。グーは口をすぼめ目もつぶって顔を真ん中に集める感じです。チョキは、口をすぼめて左右に動かしてみます。左右同じように動きますか?私は左側には動くのですが右には動きません(^^; そして、パーはおもいっきり口を開けて顔全体を広げるような感じです。
最後に体全体を使った「グー・チョキ・パー」。グーは膝を抱えてできるだけ小さくなってみてください。本当に石になったような感じです。チョキは、両手を上げて、踵も上げて体全体を上に伸ばしてみてください。そしてパーは、チョキで上げた両手を広げたままゆっくり体の側面に下ろし、もものところまできたら、前の方に上げていきます。胸の高さになったら両手を組み、自分の前面に物を抱き包む感じで背中を丸めます。膝は軽く曲げて首を折れ視線はおへそを見ます。できるだけ背骨を意識して丸めてみてください。息を吐きながら、おなかをへこませる感じで力を入れると筋肉に働いて脂肪も取れていきます。
ちょっとした時間にできて、体の血流がよくなる効果的な体操です。是非、お試しあれ!
今日のエコニュース:全国の家庭や事業所から出た01年度のごみ(一般廃棄物)の排出量は、東京ドーム約140杯分の5210万トンで過去最多だった00年度より26万トン(0.5%)減ったことが1日、環境省のまとめでわかった。産業廃棄物は4億トンで、前年度より約600万トン(1.4%)減だった。同省によると、1人1日当たりのごみの排出量は1124グラムで前年度より8グラムの微減。しかしこの10年を見ると、一般廃棄物は約5千万トンのレベルで横ばいが続く。一般廃棄物のリサイクル率は15%で、この10年で2倍以上になっている。最終処分場の残存容量(あと何年使えるか)は産廃が4.3年分となった。(朝日新聞)

2004/3/1(月) 「こんばんは」のゲスト2人
昨日の『こんばんは』の上映会には、ゲストとして2人が招かれていました。趣味で始めたカメラで、長年夜間中学に通う人々を撮り続けてきた小林チヒロさんと、教育研究家の平井雷太さんでした。
小林さんは人前で話すのは苦手とおっしゃいながら、言葉の端々に謙虚さと純朴さが感じられる女性でした。映画のチラシの写真は小林さんが撮したものですが、人柄がそのまま写真にでているような気がしました。2002年には『夜間中学の青春』という本を、夜間中学の見城慶和先生と一緒に出されています。
また平井雷太さんは、『らくだ教育(セルフラーニング)』という独自の教育法を提唱し、自ら主宰している塾「すくーるらくだ」でも、怒鳴らない、教えない、押しつけない、命令しないという方針で行っているとのこと。その教育法の詳しいことはさておき、昨日の話しを簡単に紹介します。
『子供は大人が指示命令しなければ動かないという観念を持っていると、何でも指示してやらせようとする。動く動かないは子供の問題であって、親や教師の問題ではない。親や教師は子供たちに「あなたのため」と言いながら、実は子供ができないと自分の責任が問われる、ちゃんと教育できない人間だと思われるのを恐れるために、相手を脅かして動かそうとしている。。。などの話しをされた。黙って子供が動き出すのを待つのはむずかしい。ついつい、口が出て子供を自分の思い通りに動かそうとしてしまう。子供の自立の芽を摘むという視点から見れば、大きな罪なのかもしれない。また“傷は気づき”だから、失敗したり、つまずいたり、恥をかいたりするのは、重要なんだとおっしゃった。親が先走って、子供が傷つかないように失敗しないように動くのはよくない。それでは、子供はいつまでもいろいろなことに気づかないまま大人になってしまう。。。』
平井さんの話しを聞いていて、教育だけではなく生きていく上で、すべての“傷は気づき”だと思った。挫折や失敗を次のステップの入口としたい。
今日のエコニュース:九州電力は、ウランとプルトニウムを混ぜた燃料を普通の原子力で燃やすプルサーマル計画を、08年度をめどに佐賀の玄海原子力発電所で実施する方針を固めた。(朝日新聞)

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